おもちゃの取り合いへの対応は?全てのお母さんに知って欲しいこと
こんにちは。
先日、子育て支援の為の発達心理学の講座を受講してきた、ヒロタです。
私には、今5歳の息子がいます。
小さな子どもが集まればおもちゃの取り合いなどのトラブルはつきもの。
そのトラブルシーンでいつも私の中でモヤモヤしていること、それは…
どうしてこんなにも私たち親は、子どものケンカに口出してしまうんだろう?
どうしてほとんどの人が我が子でなく、相手の子どもの味方をするんだろう?
ということ。
↓のような状況、お母さんならきっと経験していると思います。
子ども同士のオモチャ取り合い場面
親同士が相手の子の気持ちを代弁して『◯◯君使いたかったよね』『◯◯はもう使ったから貸してあげなさい!』的な親対親の気の回し合いシーンよくあるんだけど、まずは我が子の気持ちを考えて代弁してあげたい
子は、誰より自分のママに気持ち分かって欲しいもの
— ヒロタ@生きづらいお母さんをサポートする人 (@hiroeaaa1976) 2019年3月1日
おもちゃの取り合いなど、子ども同士のケンカではどう対応したらいいいの?という疑問に対しての、わたしの答えはこのツイートで書いた通り、まず『我が子の気持ち』に寄り添おうよ!
です。
じゃあ、どんな風に?
そうは言っても相手のお母さんの目もあるし・・・
そう思う人が多いと思います。(わたしもそうでした。今だって相手のお母さんにどう思われるか?少しも気にならないと言ったらウソになります。)
この記事では、実際にどんな声掛けをしたらいいのか?
そして、私たち親は、我が子を本当は一番愛しているのに、どうして相手の子のことばかり気にしちゃうんだろう?ということも考えていきます。
子ども同士のおもちゃの取り合いのとき、どんな声掛けをしたらいいの?
子どもの気持ちをまずは受け止める
まずは、子どもの行動が良いか悪いかジャッジしないで、「○○だったんだね」と子どもの気持ちをそのまま受け止める(気持ちはわかったよということを子どもに伝える)ことから、はじめませんか?
例えばこんなシーンで。。。
支援センターなどの公共の遊び場でA君(2歳半)が電車のおもちゃで遊んでいました。
そこに同じ年頃のB君が近づいてきてA君のおもちゃを取ってしまいました。A君は泣いてしまいました。A君のお母さんは、「お友だちも使いたかったんじゃない?かしてあげようね」と言ってなだめています。
その様子に気が付いたB君のお母さんが、「こら!お友だちのおもちゃ取っちゃダメでしょ!!」と厳しい声で言いながらB君からおもちゃを取り上げました。B君も泣き出しましたが、お母さんはB君には見向きもせず、A君に謝りながらおもちゃを返しました。
A君のお母さんは、ひどく泣いているB君を見て、返してもらったばかりのおもちゃをA君の気持ちも聞かずにB君に渡しました。「Aは今まで遊んでいたんだから、もう譲ってあげようね!」と。
B君は喜びましたが、B君のお母さんは「いいんですよ、本当にすみません…」といって断ります。
A君もB君も、満たされない思いで一杯です。
【トラブルへの対応が変わる視点】自分が子どもの立場だったらどんな気持ち?
A君は遊んでいたおもちゃが急に持っていかれてしまって悲しいわけです。だから「まだ遊びたかった気持ち」「急に取り上げられたことに対しての怒りの気持ち」などをお母さんにわかって欲しいんです。
A君の気持ちで考えたら「もっと遊びたかったね」とか、「(急に取られたから)びっくりしたね」と言葉が出てくると思います。
一方、B君もA君に意地悪をしようと思って取ったわけではないんですよね。
「好きなおもちゃがある、遊びたい!」純粋にそう思って、他のことは考えずに奪ってしまった。たとえ「『貸して』と言うんだよ」といつも言い聞かせていたとしても、言われていることと出来ることは別物です。
『いけないことをした』という意識もないのに、急にお母さんから怒られおもちゃを奪われたので、B君も当然、悲しいし怒りもあるしで、大泣きしたわけです。
B君の気持ちは「面白いおもちゃがある!遊びたい!」
だとしたら、自分がB君だったらまずそこは大好きなお母さんにわかって欲しいんですよね。
「好きな電車のおもちゃがあったから遊びたかったんだね」と。
A君の気持ちやルールを考えるのは、その後でも遅くないんです。
そして『ごめんなさい』を強制的に言わせるのもどうかと私は考えています。本人が悪いと思えてない時に、謝らせるのってどうなのかな?と…
最近は、無理に謝りなさいとは言わないようにしています。
子ども同士のトラブル、気になるのは『こうあるべき』と『相手のお母さんの目』
どうして相手の味方になってしまうの?
私もA君、B君両方のお母さんの立場になったことがあります。
どちらの時にもたくさんの『こうあるべき』が頭に浮かんで子どもの気持ちに寄り添った対応は出来ませんでした。
取られたA君の立場の時は、
『それくらい許してあげるべき』
『相手の気持ちを考えるべき』
『譲り合うべき』
などの気持ちが働いてしまい、取られて悲しいわが子の気持ちにはなかなか寄り添えません。
ここで、「まだ遊びたかったね」などと言ってしまったら、相手のお母さん(本当は子供同士の問題なんだけど、もう意識はお母さんなどの大人にいってしまう)を非難している気がして言えないんです。
おもちゃを奪ってしまったB君のお母さんの立場の時には、
『ルールを守れない我が子へのいら立ち』があると思うんですが、その奥には『ちゃんとしつけてない親だと思われてしまう!』という気持ちが隠れている気がします。
【優しくするべき】
【ルールを守るべき】
【仲よく遊ぶべき】
【親はそれらのべきを子どもに守らせるべき】
こういうたくさんのべきべきで頭がいっぱいになっている状態です。
『私はきちんとルールを教えて育てているつもりなのに、それが出来ない子になってしまったのは私が悪いと思われるんじゃないか?』
もうこうなってくると、子どもの気持ちはどこにもないんです。
あるのは、私の気持ちと、周囲からの目。
自分がされてきたように我が子にしてしまう
それはどうしてか?というと、きっと私たちが子供だった頃にそうされてきた(自分の気持ちをお父さんお母さんにわかって欲しかったのに、そうしてもらえなかった)からなんです。
私自身もそうでした。
多くの日本人が、まず相手を思いやり自分は我慢する、そういう価値観が根強い中で育ってきていると感じます。
もっと私をわかって欲しい!味方になって欲しい!
そういう思いが満たされなくて、我慢して、『そうするべき』と思い込んできた・・・
辛かったですよね。
自分が囚われていた『べき』に気が付くと、新しい一歩が踏み出せると思います。
そうされてきたから、自分も子どもに同じようにするのか?
変えていくのか?
私たちは自分で選ぶことが出来るんです。
成長のステップを知る
子どもが何でも言えばすぐに出来ると思ってしまうと、「言うことを聞かない我が子」にイライラしてしまいますよね。
まだ2歳くらいの子どもは、相手の気持ちになれないのも、自分の想いだけを通そうとするのも、当たり前です。
トラブルがあって当然なんです。
そこで親が「自分のしつけが悪い」と自分を責めることはないんです。
そう知っておくだけでおおらかな気持ちになれることもありますよね。
おもちゃの取り合いのような些細な日常の対応で、子どもの自己肯定感は変わったりする
おもちゃの取り合いなんかで相手の子の味方についたからって、どうってことないと思うかもしれません。
家では愛情ある声掛けをしているから、大丈夫。私が子どもを大事に思っていることは、子どももわかっているはずと思うかもしれません。
でも、子どもにとって養育者から愛してもらえるかどうかって死活問題なんです。
だから、親が自分の気持ちをわかってくれずに冷たい態度をとられるのは、子どもにとってものすごく不安なことなんです。
そういう不安をいつも感じるかどうかは、私は自己肯定感にもつながっていくと思っています。
無条件の肯定が、自己肯定感を作る
私が学んでいる交流分析では生きていく為には、身体の栄養素と心の栄養が必要と考えられています。
そして心の栄養を「ストローク」と呼んでいます。
ストロークには肯定的と否定的、条件付きと無条件があります。
分かりやすく簡単に言うと↓のような感じです。
肯定的 | 否定的 | |
条件付 | ○○していれば
あなたが好き |
○○しているから、ダメだ |
無条件 | どんなあなたも丸ごと大好き | 何をしてもダメだ |
肯定的ストロークの例→優しい言葉かけ・抱きしめる・笑いかける・挨拶する等
否定的ストロークには→叱る・ネガティブな言葉かけ・暴力等
どんなストロークが欲しいですか?と聞かれたら、私は【無条件の肯定的な】ストロークが欲しいです。
これが自己肯定感を作ります。
でも、なかなか私たちは無条件の肯定的ストロークを受ける機会が少ないですよね。
大人になったら尚のこと、です。
だからこそ、幼いうちに無条件の肯定を感じる機会は多いほど良いと私は思います。
それは、何も自分の子どもの気持ちだけ大事にすればいいというのとは違います。
【トラブルはチャンス】自分の気持ちをわかってもらえる安心感があってこそ、人の気持ちも思いやれる
我が子の気持ちにまず寄り添う、そして相手の子の気持ちにも寄り添う。
わたしが息子に言っているのは、「相手にも気持ちがあるよ。」ということ。
大人だってそうだと思うんですが、何かトラブルになった時に【相手の気持ち】の話だけされたら辛い。
でも自分の気持ちをちゃんと聞いてもらえた後は、心も落ち着くし自分の気持ち以外のこと、つまり相手の気持ちにも耳を傾ける余裕が出てくると思います。
子どもよりも理性が強く働く大人でも、もし自分が悪かったとしても、自分の悪かった点ばかりを一方的に言われたら嫌なんですから、子どもだったらなおのこと…
子どもの心に寄り添う為には、まずお母さんの気持ちを大切に
子どもの気持ちを大事にする為に、自分のイライラや(ママ友などにどう思われるか)不安などを無理やり閉じ込めようとしても難しいし、そうしない方がいいです。
まずは頑張っている自分自身を『よくがんばっているね』と認めて欲しいんです。
子どものトラブルにどうやって対応したらいいだろう?と悩んで、検索してこの長い記事を読んでいる時点で、あなたはよく頑張っているのです。
自分の心が落ち着いていないと子どもにも優しく出来ないので、自分の心を大事にすることはお母さんの仕事の一つと言えると思います。
おすすめの一冊、イライラを手放す生き方 ―心の強い人になる条件 という本にもイライラを考える時には、「自分をいたわる視点が大事」ということが書かれています。
人の性格は十人十色で、積極的にどんどん遊びに参加する(その結果、おもちゃの取り合いなどのトラブルも多発する)タイプの子も居れば、人の輪に入るのに時間がかかる子もいます。
しょっちゅう、トラブルが発生すると確かにお母さんの心は疲れますよね。遊び場に子供を連れて行きたくないと感じることもあると思います。
まずは、『いつも大変だけど私はよく子育てしている!』と自分を褒めていいんですよ。
おもちゃの取り合いやケンカ、親はどう対応する?まとめ
①相手の気持ちを考えたりルールを守ったり出来るようになるには、時間がかかると知っておく
②まずはわが子の気持ちをそのまま受け止める
③相手の気持ちも伝える
④お母さん自身が自分をいたわる視点を持って、自分を責めない
こんな視点を持つと、いやなトラブルもお母さんの気持ちを伝える時間、ひとの気持ちを考える練習として大事な時間に思えてくるかもしれません。
この記事が日々の育児ストレスを軽くするきっかけになったら嬉しいです。